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罪人  2011年05月02日(月)23時35分

めれこの舞台。今回もめれこが脚本を書いている。「罪人」重いテーマだなあ(^^;
公演期間がちょっと長くて22公演。なぜか配役がS組とM組に分かれている。めれこはS組。SなのかΣ(゚д゚lll)

場所は日暮里d-倉庫。以前来たことあるな。それほど広くはないが、段差がかなりあるので見やすい劇場だ。2列目の真ん中が空いていたので着席。1列目の前の席は椅子がなかったのでかなりいい席だ。

以下、ネタバレありなのでまだ見てない人は見ないように。

ストーリーとしては3人を殺した通り魔(女性)が記憶を失ってしまうというお話。劇中の神父の「罪の自覚がない者に対する罰に何の意味があるのでしょうか?」という言葉が重い。難しいところだ。少なくともいずれ釈放されるものであれば確かに恨みしか残らないだろう。しかし、終身刑や死刑ならば、重犯罪者を世に出さないという意味もある。

そして、弟を殺された刑事が担当になるが記憶喪失を知って葛藤する。弟が嫌いなため、殺された憎しみがないところがポイント。自身も子供の頃のトラウマがあり、犯人に自分を重ねてしまう。犯人がかわいい女の子なのも影響あるだろうな( ̄▽ ̄;)

しかも、後輩が自分の妻とできてしまっていて、その後輩が事件を利用して自分を陥れるという、愛憎劇も絡む。なるほどジェットコースターという紹介の通り、息をつかせぬ展開だ。この後輩の悪っぷりが素晴らしいな。公演後のMCであった通り、演出では「良くも悪くもお客さんの心に響くように」というところが良く出ている。

「映画を意識した作り」というのも納得。確かに映画のような場面展開で見やすい。照明もスポットライトなどの使い方がうまい。ただ・・・旦那の妻と後輩の絡みシーンが偉く長いのだが。終わりかと思ったら、ステージの隅に移動して継続(笑)
これは、流石にめれこの意図ではなかったようだが(^^;

通り魔という性質を秋葉原の事件と敢えて絡めている点も勇気があると感じる。通り魔による多数の被害者、遺族の悲しみや憎しみはどこへ行くのか。それもテーマとなっている。記憶喪失ではないが、心神喪失の有無や、精神障害については裁判でよく論議されるところだ。精神的病、心神喪失の中で犯罪を犯した場合、その罪はどこへ行くのだろう?「病気だから」という理由だけで無罪にするにはあまりにも重い事件もある。司法で裁けない状態に遺族が復讐の念を持つこともあるだろう。

記憶喪失という安易に使われる手法であるにもかかわらず、「ある日目覚めたら、お前は殺人者だ。」というシチュエーションを使い、見る人をドキッとさせる。TVで報道される人事のような事件を、通り魔、記憶喪失というキーワードによって、いつ自分の身に降りかかるかわからないという当事者感が、現実味を帯びさせる。

そういうことをぐるぐると考えさせられる、心に訴えかけられる作品だ。引き込まれる。それでいて、電車男的な演出や「イエス!ユア、ハイネス!」など、めれこらしい遊び心もあって、思わず、な場面も(^^ゞ

うん、面白いね。ラストは多少予測はできたものの、救いはない。私はハッピーエンドが好きなのだが、この作品としては正解だろう。答えの出ない話であり、波紋を投げかけるところに意味がある。刑事は最後引き金を引けたのだろうか?

終演後はトークコーナーが少し。めれこと演出の伊藤秀隆、通り魔役の緑川静香、刑事役の豊田記央の4人。を、めれこMC?なかなか落ち着いている。めれこは私服に着替えているがかわいらしい服装だ。今日はツインテールだしね(^^)
欲を言えば劇中のセーラー服のスカートの丈がもう少し短いとよかったなw
やはり、少し痩せたかも。芝居になると痩せるんだよな。やっぱ体力使うんだねえ。ダンスもあるし。

トークコーナーは短かったがなかなか面白かった。芝居の余韻を楽しむのも良いけど、メイキング的なこんな感じも良いよね。客席からの質問コーナーもあったし。

トーク終わった後もロビーにめれこが出てきてくれる。一応中日なのでささやかながら差し入れを渡す。残りの公演も怪我のないように頑張ってねヽ(´ー`)ノ